仮カレ

44/52
前へ
/429ページ
次へ
出張当日 荷物をまとめて空港へ向かおうとすると、インターホンが鳴った。 「はい」 「準備できた?」 彼だ。 「今出ようとしたところ」 「タクシー待たせてるから、一緒に行こうぜ」 できれば搭乗まで別々がよかったんだけどな… 溜め息を我慢しつつドアを開けると 「なんか嫌そうな顔だな」 「そんなことない」 またバトルしそうな勢いだ。 今日は夜の便で現地へ向かうことになっていた。 現地へ到着するのはあちらの早朝で、早期チェックインできるよう手配は済んでいるとのこと。 商談が火曜になったことでオフができたわけだけれど、いいのか悪いのか。 正直、二人きりは困る。 逃げ場がないのだから。
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3002人が本棚に入れています
本棚に追加