恋愛なんてしたくない

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「ごめんなさい。離婚して下さい」 久しぶりに誠二と休みが重なった朝。 朝食を食べ終わり、コーヒーを飲んでいる時、私は離婚届を出し頭を下げた。 「どうして?」 誠二は驚いた様子もなく、冷たい視線を向け言った。 「私達、このまま結婚していても意味がないと思うの。 最近は休みも合わないし、すれ違ってるじゃない」 そう言うと、まるで納得したかのように「そうか・・・」と視線を逸らした。 「とりあえず、これは預かっておく。少し時間をくれ」 そう言ったかと思うと、離婚届を持って書斎に入ってしまった。 私は気が抜けて、ふぅーっと息を吐いた。 その日、1時間ぐらいすると、誠二は「出てくる」と言い残し、出て行ってしまった。
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