仮カレ

30/52
前へ
/429ページ
次へ
「好きかどうかなんて言い難いことだわ。 それに、あなたに言う必要なんてないわ」 「面倒くさいな! 俺はお前を俺のものだと思ってるから。 俺以外の男とどうかなるなよ」 「どうかなるわけないでしょ? なんでそんなに意地悪なのよ!」 怒ったように彼は黙ってしまった。 いろいろと感謝したのに、こんなにも俺様だと呆れてしまいう。 男なんて所詮は独占欲の塊のようなものだと誰かが言っていたけれど、ここまで子供のようになられると対処に困る。 「どうして意地悪なの?」 「何がどうしてだよ。俺が聞きたいよ。 どうしてお前はそんなに…はぁ… 俺がお前に呆れるよ、本当に!」 「そんな言い方……」 ますます怒らせてしまったのか、一言も話さなくなってしまった。
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3001人が本棚に入れています
本棚に追加