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結局、彼はずっと黙ったままだった。
時折、溜め息をついては私を見下ろした。
マンションへ帰ってくると、彼は躊躇うことなく私の部屋へ入って来た。
それでもやっぱり不機嫌で、困っている私に気づいているはずなのに、何も言ってはくれなかった。
そのままベッドへ直行し、また当たり前のように彼は私を抱いた。
でも、相変わらず彼の気持ちがわからなかった。
優しかったと思えば怒ったりして、不安定なのは何か理由があるのだろうか。
私の身体が、彼の思い通りの反応を魅せているのか、時々優しい顔を見せる。
仕事のストレスが凄いのだろうか。
営業の仕事は人が思うよりずっと大変だ。
一課でトップを走り続ける彼にとって、そのプレッシャーは想像以上なのだろう。
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