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ガー、ゴゴー
ホームに電車が到着。
乗客達が階段を下りて来た。
壁際の私達2人に興味津々で、何度も振り返って見る人や、面白そうににやにやする人や、何やってんだ?と露骨に不快感を示す人や…。
とにかく、非常に恥ずかしい状態に置かれていることは確か。
私の腰には五十嵐さんの右手、私の顔の横の壁には五十嵐さんの左手がある。
あ!これってもしかして、かつて話題になってた『壁ドン』ってやつ?
「あ、あの…」
「ん?」
「あの、人が見てるんですけど…」
「あ?あー、そっか」
こういうシチュエーションに慣れているのか、五十嵐さんは少しも慌てることなく私から離れた。
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