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そこから無言で3駅。
開いたドアから降りる私のあとを五十嵐さんがついてくる。
「今日はありがとうございました。では、失礼します」
くるりと上司に向きを変え、一礼して言った。
「波越、おまえ、『ここ』に住んでんの?」
「はい?」
「おまえが『このホーム』に住んでる、っていうんなら俺はここで帰るけど?」
「駅のホームに住んでるわけないじゃないですか!」
「だよな。じゃあ、行こう」
あろうことか、私より先に五十嵐さんは歩き出した。
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