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【では、汝の願いとくと叶えよう。】
頭に響く声が一段と力強く感じ取れた。
そして私は気を失った。
***
「もし、こんなところで寝ていると風邪を引きますよ。」
優しいその声で目が覚める。
見れば愛しい彼が心配そうに私を見ていた。
一面バラの花に包まれたここは一体どこなのか?
そんな疑問も気にならないほど私はドキドキしていた。
「おや?
靴を履いていませんね。
それでは歩けないですね。
ちょっと失礼。」
私の体が宙に浮く。
憧れのお姫様抱っこだ。
愛しい彼の顔が間近に迫る。
思わず赤面してしまう私。
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