気になるあの娘。

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(ん?) お昼休みに、スマートフォンが振動する。 >こんにちは! 迷惑でなければ、放課後一緒に 新しくできた雑貨屋さんに行きませんか? (!、こ、これは!若しかして昨日オープンした所!?) >こんにちは。 迷惑じゃないよ。僕も気になってたんだ! 一緒に行こう! つい興奮極まり、絵文字いっぱいの文面で即レスする。 >わーい!嬉しいです!有り難うです! 放課後、そちらへ行きますね。 「どうしたの?りっちゃん。」 「え?何が?」 「何かすごーく嬉しそうだよ。」 そう話しかけるのは、僕の中の、可愛い女の子殿堂入りの野々子(ののこ)ちゃん。今日もその笑顔が眩しい。 「芽衣(めい)ちゃんから、放課後、雑貨屋さんに行こうって誘ってもらったんだ。」 芽衣ちゃんとは、野々子ちゃんの従姉妹で。僕らの一つ歳下の高校一年生、これまた可愛い女の子である。 「そうなの?遊んでくれて有り難う。宜しくね。」 「良かったら、野々子ちゃんも行かない?」 「私は今日も三條(さんじょう)くんと帰るから遠慮するよ。」 三條くんは野々子ちゃんの彼氏で、とても秀才な人だ。そして、 「野々子。」 「何?三條く…」 バシンッ! 「~っ。」 「!?、野々子ちゃん!?大丈夫!?」 とてもドS…否、クール?な人だ。先ほどの音は、油断していた野々子ちゃんにデコピンをかました音である。
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