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野々子ちゃんを「殿堂入り」と表したけれど、女の子は基本、女の子と言うだけで可愛いのだ。
だから僕は恋愛経験が無い。
可愛い女の子イコール「お友達になりたい!」に、なってしまう。告白をされたことも一応はあるのだけれど…そう言う気持ちになったことは未だ無い。
否、「未だ無い。」は、誤りである。最近になって漸く、僕にも気になる子ができた。
だから、ちょっと近頃は肩が上がり気味である。連絡がきたとか、こないとか。しても良いのかな?何て連絡しよう?なんて、考えてしまうのだ。
「…野々子ちゃん。」
「にゃ、にゃにー?」
野々子ちゃんが三條くんに弄ばれて…では無くて、頬をつねられて遊ばれている。
「芽衣ちゃんって、どうしてうちの高校に進学しなかったの?」
「設楽(したら)先生がいるからって、聞いてるよ。」
設楽先生とは、僕のクラスの担任の先生であり、野々子ちゃんの叔父さんであり…つまり、芽衣ちゃんのお父さんだ。
「そっか、やっぱり身内がいると嫌なのかな?」
「私は嫌じゃないけど、芽衣ちゃんは嫌みたいだね~。芽衣ちゃんも勉強は得意じゃないし。」
「親に成績がもろバレって恐ろしいな。」
超絶イケメン…だが、勉強が苦手な槙野(まきの)くんが青ざめてポツリと呟いた。
「………。」
僕としては、同じ学校に通いたかった。
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