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そして僕が集会に参加している頃、友人たちの間では、僕の知らないやり取りが繰り広げられていた。
***
「野々子。」
「何?三條くん。」
「今、何考えてるか当ててやろうか?」
「うん?」
「『坂木さんと、芽衣ちゃん。どっちを応援しよう?』」
「………。」
図星だった。思わず、開いた目と口が塞がらない。
「何だ何だ。四ノ宮にモテ期到来か?」
そして食いついてくるマッキーこと、槙野くん。
「陸は、元々人気あるよ?美少年だからね。」
それにのっかる私の親友、坂町栞(さかまち しおり)ちゃん。
「そもそも元がいいんだろうけど。陸は自分磨きも怠ってないからね。女子力高くて可愛くて、並大抵の女子では並べない…高嶺の花?ののちゃん系統ですな。」
頬杖をついていた私は、机に頬を乗せて項垂れる。眉も八の字である。
「…亜依ちゃんが、りっちゃんと同じ委員会になるよう手助けしたのは私と栞ちゃんだけど…。見た感じ、りっちゃんは芽衣ちゃんを気にしてる気がするんだよね。」
「それは穏やかじゃねーな。」
「てか、四ノ宮が芽衣ちゃんを気に入ってるって時点で、もう答えは出てるはずだけど。」
「三條くん!女の子はそんな風に割り切れないの!」
「私なら割り切るぞ。」
「栞ちゃん!?男前過ぎるよ!」
八月の夏休みが終わり、二学期になった。まだじっとりとした嫌な暑さが、肌に纏わり付いてくる。
私は、現代の異常気象にも似た大変なことが、これから起こる気配がしてならないのだ。
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