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…ある昼下がり…
…とある町のとある喫茶店にて…
「…マスターってさ…」
「…ん?」
「…『夢』って叶うと思う?」
…ここの常連…
…自称らしいが「職業 モノかき。」の
彼女からの質問の意図するところがわからない私…
「…どう思う?」
……………数秒考えて、
「…答える前に聞きたいんだけど、
君は『私は夢を叶えた』と感じている?。」
…………数秒後………
「…うん。」
「…どうして?」
「…いつ来ても、毎日が『充実』してるように見えるから…。」
「…なるほどね。」
苦笑しながら私は彼女の質問に答えた。
「残念ながら、私の『夢』はまだ叶ってないんだけどね。」
「…え?」
どうやら、彼女にとって、この答えは意外だったらしい。
「…でも…
前に『こうしてマスターとしてお客さんと接して
何気なく話していられることが夢。』って…」
「あぁ、そう言ったけど?」
「なら、夢叶ってるんじゃ…」
まぁ、彼女の疑問はもっともだろう。
「確かに『その夢』は叶ったように思えるかもね。
…でも、それは『今までは』の話で
また『終わった』訳じゃないから。
…つまり、『夢が叶った』とはまだ言えないんだよ。」
…それから数十分後、彼女は笑いながら
「んじゃ、マスターまたね。」と店を後にする。
…どうやら…
彼女の「モノかき」のネタになりそうな予感に…
苦笑しつつ彼女の席を片付けていた
私の見つけたのは…
『ファイト!』と書かれた一片の紙…。
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