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十六、七歳の時分の一時期。
のべつ幕なしに「つるんで」いたジャックやエドたちから、俺は時折、距離を置くようになっていた。
連中は、俺に「女ができた」と思い込んでいて、付き合いの悪くなった俺をニヤニヤ笑いで小突いていたけれど、別に、そんなことではなかった。
ただ、なんとなく。
ひとりになりたかった。それだけだった――
その頃、紙袋に包んだジンのボトルを手に、俺はよく、夕暮れ時のヒースの草地をひとり歩いた。
足元にぬかるむピートの感触と、鼻にしみるような冷たい風の切ない痛みを覚えている。
振り仰いで見上げれば、丘の上の城跡の向こうへ、夕日が沈んでいく。
そうやって世界が色を失っていく様子を、俺はただ、立ち尽くして見つめていた。
陽が落ち始めると、どこからともなく誰かが、草地にゴミを持ち込んで燃やし始める。
マットレスがへたりきって垢じみた安物のソファーや歪んだドアや、そんなようなものだ。
遠くに燃え立つ炎。
そして、ひとり佇んで、俺はジンで喉を焼く。
ある日の、そんなまだほの明るさを残した夜の始まりの頃。
不意に、草地に俺以外の人間が姿を現した。
たぶん、まだ若い男。
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