第十三章 輝夜 三

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「……異形の者が多いから。驚かないようにね……」  ×が子孫を残せないというのは、人が決めた事ではなく、×が自ら決めた事であった。 あまりに異形が加速し、又、殺人衝動が激しくなるので、自滅すると判断したのだ。 柴崎に異形が多く生まれたのは、千堂のせいであろう。 「行くと、千堂家を許せない……と思うよ。とにかく、行っておいで」  異形でも、志摩は見慣れている。 無形の×は村にもいるが、四つ足の異形は余り見慣れていない。  車の鍵を渡されると、玄関横に車も用意されていた。 永新が運転しようとしたが、俺の運転の方がいいだろう。 「最近の車に乗った事がないでしょ。俺が運転するよ」  車なんてそんなに変わらないでしょと、永新は乗り込み、 謎のボタンが多かったと断念していた。 ボタンの類はあるが、最初にセットしてしまえば、後は操作を必要としない。
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