第十三章 輝夜 三

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 カーナビが村でも使用できるので、それは驚いてしまった。 「衛星があるのか……」  しかも、地図も表示されている。村も日本の一部であったのか。  永新と黒川を乗せて、村をドライブしてしまった。 しかし、快適だったのは束の間で、すぐに勾配が激しくなり、道の舗装が無くなっていた。 「上月、運転を代わるよ」  ハンドルが揺れて、押さえているだけでも、かなり疲れる。 しかも、岩などもあり、激しく揺れる。 返事をしようとすると、舌を噛んでしまった。  ブレーキを掛けて車を止めると、鏡で舌を確認してみた。噛み切らなくて良かった。 「いや、俺の運転でいいですよ。俺も山の民ですから」  段々、道にも慣れてきた気がする。 車がどれだけ傾斜するのか、事前に分かっていれば、傾斜も気にならない。 揺れはしょうがないが、これはこれで、案外楽しい。
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