第十三章 輝夜 三

16/28
前へ
/569ページ
次へ
「……上月、道、無い」  道が森に消えていた。 ここから先は歩くしかないのか。 でも、よく見ると、木の間に轍の後が残る。 「もう少し、行けそうです」 「ストップ。無理しない」  引き返せる位置で車を止めておくのも、一理ある。 俺は森の手前で車をUターンさせると停止した。 「木で隠れていますが、地面が緩い」  湿地帯にも近い地面であった。車で入らなくて良かった。 「上を行きますか」  木に登って周囲を確認する。 枝は上の方にだけ存在している。 では、木の上部を飛んで移動してみよう。  木を飛びながら移動を始めると、黒川と永新が何か言いたげであった。
/569ページ

最初のコメントを投稿しよう!

230人が本棚に入れています
本棚に追加