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「……上月、道、無い」
道が森に消えていた。
ここから先は歩くしかないのか。
でも、よく見ると、木の間に轍の後が残る。
「もう少し、行けそうです」
「ストップ。無理しない」
引き返せる位置で車を止めておくのも、一理ある。
俺は森の手前で車をUターンさせると停止した。
「木で隠れていますが、地面が緩い」
湿地帯にも近い地面であった。車で入らなくて良かった。
「上を行きますか」
木に登って周囲を確認する。
枝は上の方にだけ存在している。
では、木の上部を飛んで移動してみよう。
木を飛びながら移動を始めると、黒川と永新が何か言いたげであった。
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