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威嚇するような声が、あちこちから聞こえてくる。
山に猿はいたが、縄張りまで考えていなかった。
これは、このまま先に進んでもいいものなのか。
立ち止まって、猿の姿を捜したが、声が聞こえる方向を向くと、既に消えている。
「ワオワワアオオー」
規則性のある、言語のようにも聞こえるが、日本語ではない。
「ワオワア?」
つい真似て言ってみた。
すると、耳元で返事が聞こえていた。
「ワオワオオ」
何となく、意味は分かった。
敵か味方か分からないと言っている。
「ワオワオオ?」
俺が真似ると、手を叩いてくれた。
「ワオ、ワオオオオ、アー」
そこで、巨大な猿が俺の手を持っていた。
そして、猿が頷いている。
これも、どことなく意味は分かった。
味方だ、手を出すなであった。
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