第十三章 輝夜 三

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「もしかして、×ですね。日本語、喋れますね」  そこで、猿が頷いているが、どっちなのか分からない。 「ワ、ワワワオオイ、ワワワオオン」  俺は守人だ。 「合っていますか?」  再び猿が頷いていた。 「ワワンワンオオオン」  森を案内して欲しい。 「光が欲しい。光と引き換えに案内しよう」  どこから声がしたのかと思ったら、猿が喋っていた。 「光の契約は、柴崎としている。もう少ししたら、光は戻る」  すると、猿が俺の手を離して去って行こうとしていた。  ここまで、×が獣になっているとは思わなかった。 でも、移動する猿は、大半が本物の猿であった。
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