第十三章 輝夜 三

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 俺は猿の移動を眺めてしまった。 「光が無いから、木の実がない。縄張りの争いで、十二匹死んだ……」  はやく光を戻してやりたい。 でも、柴崎の領土は広く、全体が明るくなるまでは、時間がかかりそうだ。 「我、上月 守人。守人の契約により、この森に光を戻す」  森だけでも早く光を戻してみよう。 地面から、光の粒が浮くと、空中に溶けていた。 地面から光というのは、この土地は、地神丸の影響が大きいのであろう。 「上月、体力は持つのか?」 「ここ、地神丸の影響が大きいので、制御がいりません。体力は平気です」  でも、心配した猿が俺を背負おうとしていた。
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