第一章 月光

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「はい。ワイン入ります」  俺は、かなり大きく見える月を、見上げて溜息をついてしまった。  俺は、今まで夜は働いていなかった。 しかし、疲れて眠るまで動いていないと、どうしょうもなく焦り苦しんでしまい、 何も手につかないまま、何もできなくなる。  その理由は、俺の半身である、光二が今は拉致誘拐されてしまい、近くにいない。 すぐに助けに行きたいのだが、行けない事情があった。  俺の出身の村は、日本になるのだが、完全な日本とも言えない、隔離された世界であった。 かなり特殊で、今は闇に閉ざされている。 俺は光の者であるので、村に多少でも光を入れてから行かないと、 力が闇と衝突し相殺するというのだ。
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