終わらない日常

3/3
前へ
/15ページ
次へ
あの時と一緒だ。体育祭の借り物競走で見せてくれたあの笑顔。 「大切な人」というお題で私を選んでくれた時に見せてくれたあの笑顔。 一緒にゴールを駆け抜けて一位になった時に見せてくれたあの笑顔。 そう、あの笑顔が私を狂わせた。 別に悪い意味じゃない。むしろ自分の気持ちに気づかせてくれたきっかけ。だから、大好きで、大嫌い。 でももう後戻りなんてできない。 だから・・・私は・・・。 「早く教室いこ、遅刻しちゃうよ。」 そう言って和奈の手を引っ張ると、教室のある二階へと走り出した。 今なら誰よりも早く走れそうだった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加