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あの時と一緒だ。体育祭の借り物競走で見せてくれたあの笑顔。
「大切な人」というお題で私を選んでくれた時に見せてくれたあの笑顔。
一緒にゴールを駆け抜けて一位になった時に見せてくれたあの笑顔。
そう、あの笑顔が私を狂わせた。
別に悪い意味じゃない。むしろ自分の気持ちに気づかせてくれたきっかけ。だから、大好きで、大嫌い。
でももう後戻りなんてできない。
だから・・・私は・・・。
「早く教室いこ、遅刻しちゃうよ。」
そう言って和奈の手を引っ張ると、教室のある二階へと走り出した。
今なら誰よりも早く走れそうだった。
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