13人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
まぁ、それはさておき。
智「申し訳ないんだけど犯人さん。俺を誘拐したのは完全な間違いですよ」
俺は彼らにこう言い放った。
工「どう言うことだ?」
工藤さんは質問した。
智「俺はあの家の中じゃ出来損ないとして扱われてる。兄だけを自分の息子だと思ってる。あの人が俺のために50億円なんて払うわけがない」
そう、兄ならともかく、俺が誘拐されたとしても、あの人はなんとも思わないだろう。
「うちには息子は1人しかいない」
そう言ってやり過ごすはずだ。
工「それはどうかな?」
工藤さんはそう言って微かに笑った。
次に彼は携帯を見せてきた。
そこには、体を拘束され気絶している俺が写っていた。
そして[木崎昭蔵のもう1人の息子を誘拐しました。48時間以内に50億円の身代金を払わなければ、彼は公開処刑されます。果たして木崎昭蔵は彼を救うのか?見捨てるのか?]という文字が。
どうやら動画で配信されているようだ。
工「全国でネット中継している。これならいくらあの社長でも身代金を払わないわけにはいかないだろう」
確かに。
しかし、この人たちは思ったよりもずいぶん頭が良いようだ。
きっと身代金の受け渡し方法についても考えがあるんだろう。
一体俺はどうなるのだろうか。
<智哉 side end>
最初のコメントを投稿しよう!