身代金は目前で消える

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<智哉 side> -ライブ会場 俺は驚愕していた。 少し寝ていた俺は、工藤という誘拐犯のリーダーに起こされた。 それから携帯を見せられた。 見てみると、神社が写っており、鳥居の前に大量の現金が置かれている。 どうやらライブ中継のようだ。 それからすぐ、数人の男が現金に向かって火の着いたビンを投げつけた。 火はあっという間に現金を包み込んだ。 周りは騒いでいる。 そして、文字が写し出された。 [50億円大炎上!] 奏「(50億円?)」 その時俺は気づいた。 この燃えている金は身代金なのだと。 彼らは燃やしたのだ。 50億円もの大金を。 動画はそこで途切れた。 それと同時に人が入ってきた。 確か相田と鷹岡という人たちだ。 鷹「やったな工藤」 工「ああ」 鷹岡は嬉しそうに言っている。 相「あの社長さんどんな顔してるかな」 相田は言った。 50億円もの大金を燃やされたんだ。 きっと開いた口が塞がらないだろう。 工「相田、鈴木を呼び戻してくれ」 相「分かった」 どうやら、動画を撮っていたのは鈴木のようだ。 工「さて、あっちはどうなってるかな」 工藤は小声でそう言った。 あっちというのは、我が家のことだろうか。 それとも、別の何かが動いているのか。 どちらにしろ、身代金の無い今、警察は犯人を捕まえる手段のひとつを失った。 果たして俺はどうなるのだろうか。 動画が配信されてから6時間が経過していた。 <智哉 side end>
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