告発

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一之瀬は驚愕した。 智『僕の本当の母親は、水商売の仕事をしてました。その時に父に出会い、すぐに恋に落ちたんです。母は仕事を辞めて家で主婦としてやっていくつもりでした』 昭「おい、止めろ!」 突然昭蔵が大声をあげた。 昭「今すぐに電話を切れ!中継も止めさせろ!」 捜査員数名で昭蔵を宥めた。 智『…話を続けてもいいですか』 一「ええ、続けてください」 智『母は僕を身籠り、そして産みました。けど産んですぐに引き離されました。木崎昭蔵は母と付き合ってすぐに幸枝とも付き合い始めてたんです。なんとかなるさと軽い考えだったんでしょう。しかし、母が出産し「子供と一緒に暮らそう」と言い出した。さらに、母との関係が祖父にバレてしまった。そこで考えたんです。残酷な方法を』 一瞬の間を開けて智哉は口を開いた。 智『…水商売の女と会社の社長の娘。秤にかけるまでもなく、父は母を見限りました。さらに、体裁を保つために、子供を取り上げ、幸枝が生んだことにしたんです。戸籍も移してね。母には口止め料として1000万円を渡しました。しかし、母はそれを使わなかった。その後母は病気になり、静かに息を引き取ったそうです』 その時、兄の誠治が慌てた様子で声を出した。 誠「ち、ちょっと待て!じゃあ、俺と智哉は…」 智『うん、本当の兄弟じゃない』 誠「そんな…」 誠治は愕然としていた。
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