告発

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一「…あなたはいつその事を知ったんですか?」 一之瀬は智哉に尋ねた。 智『中学のときの健康診断で知ったんです。僕はずっとO型だって聞かされてました。けど結果はA型だった。小学生の頃は不思議に思ってたけど気にはしてなかった。その時中学校で血液型診断が流行ってたんですよ。診断の結果が違ってたんでずっと気になってたんです。それで知り合いの父親に頼んで民間の科捜研にDNA鑑定を頼んだんです』 一「あなたの本当の母親のことはどうやって知ったんですか?」 智『今の母から聞いたんです』 一之瀬は幸枝を見た。 幸枝は怯えたような表情をしている。 智『母には黙っていてくれとお願いしました。父にバレたら家を追い出されかねなかったですし、せめて俺が家を出るときまではと』 智哉はずっと胸に隠していたのだ。 家族を壊しかねない重大な秘密を。 昭「智哉!貴様どういうつもりだ!今まで貴様を養ってやったのは誰だと思ってるんだ!」 受話器を取り上げ昭蔵は怒鳴った。 智『今まで育ててくれたことには感謝してます。ただそれは実の母のことを知らなかったからです。母のことを知った今は、あなたの今までの行動は僕を利用していたに過ぎない。それに、兄さんが会社の跡を継いだら僕を追い出すつもりだったんでしょう。なら今さら隠す必要はないでしょう』 昭「…!」 智『刑事さん』 一之瀬は昭蔵から受話器を取った。 一「なんでしょう」 智『僕の話は以上です。何か他に聞きたいことはありますか』 一「…いえ、特に」 智『それでは、僕はこれで』 そう言って電話は切れた。 部屋は少しの不安と静寂に包まれていた。
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