救出と真相

3/7
前へ
/43ページ
次へ
工藤たち誘拐グループがライブ会場から出てきた。 警察ががっちり腕を掴んでいる。 パトカーに乗り込む前、智哉は工藤を見た。 工藤もそれに気づいた。 工「……」 智「……」 少しの間沈黙が続いた。 まるでそこだけ時間が止まっているようだった。 工藤は智哉に向かって微笑み、パトカーに乗り込んだ。 次に智哉のもとにやって来たのは、霧島幸一と本田桜だった。 霧「智哉」 桜「智くん」 幸一は微笑み、桜は心配そうな顔をしている。 智「…昨日ぶり、くらいかな」 智哉は笑ってそう言った。 幸一は笑って智哉の肩を叩いた。 桜も笑っていた。 ふと、智哉の目にもう1人の人物が写った。 智「ちょっとごめん」 智哉はそう言って二人の間を抜けていった。 彼の目の前にいたのは後輩の神崎さなえだった。 神「先輩…」 さなえは今にも泣きそうな顔をしていた。 智「聞いたよ。俺のこと心配してくれたって」 智哉はそう言ってさなえの頭を撫でた。 智「…ありがとう」 智哉がそう言うとさなえは泣きながら頷いた。 一「松崎さん」 彼の前に現れたのは一之瀬だった。 智「もしかして一之瀬さんですか?」 一「ええ」 二人はやっと対面した。 一「…救急隊の方が呼んでいます。念のため身体検査をするそうです。落ちついたら事情をお聞きしたいのですがよろしいですか」 智「はい」 智哉は歩きだした。 すると、智哉は立ち止まり一之瀬に向き直った。 智「一之瀬さん。実は調べてほしい人がいるんですが…」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加