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工藤たち誘拐グループがライブ会場から出てきた。
警察ががっちり腕を掴んでいる。
パトカーに乗り込む前、智哉は工藤を見た。
工藤もそれに気づいた。
工「……」
智「……」
少しの間沈黙が続いた。
まるでそこだけ時間が止まっているようだった。
工藤は智哉に向かって微笑み、パトカーに乗り込んだ。
次に智哉のもとにやって来たのは、霧島幸一と本田桜だった。
霧「智哉」
桜「智くん」
幸一は微笑み、桜は心配そうな顔をしている。
智「…昨日ぶり、くらいかな」
智哉は笑ってそう言った。
幸一は笑って智哉の肩を叩いた。
桜も笑っていた。
ふと、智哉の目にもう1人の人物が写った。
智「ちょっとごめん」
智哉はそう言って二人の間を抜けていった。
彼の目の前にいたのは後輩の神崎さなえだった。
神「先輩…」
さなえは今にも泣きそうな顔をしていた。
智「聞いたよ。俺のこと心配してくれたって」
智哉はそう言ってさなえの頭を撫でた。
智「…ありがとう」
智哉がそう言うとさなえは泣きながら頷いた。
一「松崎さん」
彼の前に現れたのは一之瀬だった。
智「もしかして一之瀬さんですか?」
一「ええ」
二人はやっと対面した。
一「…救急隊の方が呼んでいます。念のため身体検査をするそうです。落ちついたら事情をお聞きしたいのですがよろしいですか」
智「はい」
智哉は歩きだした。
すると、智哉は立ち止まり一之瀬に向き直った。
智「一之瀬さん。実は調べてほしい人がいるんですが…」
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