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智「最後にひとつ聞きたいんですが、どうやって父を殺すつもりだったんですか?」
巽「あれだけの騒ぎを起こせばマスコミは黙っていない。必ず彼の周りに集まってくる。その騒ぎに乗じて刺し殺すつもりだった」
智「ずいぶん無茶な作戦ですね」
巽「元から全てが終わったら自首するつもりだったからね。そこまで複雑な方法をとる必要もなかったんだ」
智哉は敬助を真っ直ぐ見つめた。
智「娘さんのこと、父に変わり謝罪します。申し訳ありませんでした。」
智哉は深々と頭を下げた。
智「…けど、やっぱり僕は貴方に復讐をしてほしくなかった。僕にとって貴方は大事な人の1人です。まるでもう一人の父親が出来たみたいで…。そんな人が居なくなるのは寂しいですよ」
智哉は涙を流しながらそう言った。
その言葉に敬助は唇を噛み泣いた。
その後、敬助は警察に出頭した。
こうして、誘拐事件は幕を閉じたのである。
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