13人が本棚に入れています
本棚に追加
数日後、警察の捜査により木崎昭蔵の悪行が次々と明らかになり、木崎昭蔵の逮捕が決まった。
現在、たくさんのマスコミに囲まれ、昭蔵が警察の車に乗せられようとしている。
一之瀬の姿もそこにもあった。
木崎家の面々はその姿を静かに見つめている。
昭蔵は智哉を見つけると立ち止まった。
昭「まさかお前に裏切られるとはな。飼い犬に手を噛まれるとはこの事か」
智「…手を噛まれたくないならしっかり調教しとくべきでしたね。貴方は自分のことしか考えてなかった。そんな人に手懐けられるつもりはありません」
智哉は静かにそう言った。
昭「…」
その後昭蔵は車に乗せられた。
一之瀬は智哉に礼をして車に乗った。
そして車は走り去った。
智哉は昭蔵が乗せられた車を静かに見つめていた。
智哉はその後、ある人物のもとを訪れていた。
そのある人物とは、今回の事件の黒幕であり、智哉の良き理解者の1人でもあった巽敬助である。
智「体調はどうですか?」
巽「ああ、特に変わりはないよ」
智「今日父が逮捕されました」
巽「…そうかい」
智「きっと娘さんのことについても明らかになっていくと思います」
巽「……」
智「出所したら…」
巽「えっ?」
智「出所したら、一緒にまたお茶でも飲みませんか?」
智哉の言葉に敬助は驚いた。
智「娘さんの話をまた聞かせてください」
智哉はそう言って笑った。
敬助は涙ぐみながら頷いた。
智哉と敬助は面会室のガラス越しに固い約束を交わした。
最初のコメントを投稿しよう!