なぜ誘拐された

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次に目が覚めたのは、冷たいコンクリートの上だった。 頭が痛い。 体を動かしてみるが、上手く動かない。 どうやら縛られているようだ。 これは…結束バンドかな。 縄よりほどきにくいな。 頑張って体を起こす。 体に変化はない。 何かされたということはないようだ。 次に周りを見渡す。 周りには特になにもない。 次に上を見上げてみると、証明スタンドらしきものがある。 後ろを見てみると、地下アイドルが歌うようなセットがある。 どうやら地下のライブ会場のようだ。 端にマイクスタンドも置いてあるし。 必死に体を動かす。 やはり結束バンドは外れない。 手足が痛い。 意味ないかもしれないが、一応助けを求めてみるか。 声を出そうと息を吸い込んだとき、目の前のドアが開いた。 男が現れた。 知らない顔だ。 身なり的にはしっかりしている。 一言で言うとイケメンだ。 ?「目が覚めたか。」 男が尋ねてきた。 返事を返そうかと一瞬思ったが、それもどうかと思い、言葉を飲み込んだ。 男は目の前に来た。 無言で俺を見つめている。 …なんだ。 不思議に思っていると、足音が聞こえてきた。 今度は3人の男女が入ってきた。 先頭にいる男は短髪で結構ガッチリした体をしている。 顔つきを見ると、ちょっとヤバイ雰囲気を醸し出している。 次に入ってきたのは女だ。 髪はロングのストレート。 赤い口紅が印象的だ。 最後に入ってきたのはメガネをかけた男。 細身で運動をしていないのが何となくわかる。 さっきからビクビクしている。 見た感じ、リーダーはイケメンな人か。 この4人が俺を誘拐した人たちのようだ。
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