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彼女はいい感じで隣の子と並んで走り抜く。胸が上下に揺れている。観客席の声も盛り上がる。その中にそんな彼女を応援する妻の声もあった。
そして彼女がバトンタッチをする時にアクシデントとミラクルが起きた。
彼女は次の走者にバトンを渡そうと手を伸ばしたらそのまま赤いプラスティックのバトンから手に落ちてしまった。しかしそのバトンは地面に落ちることなく彼女の足に当たり、彼女の上げた足に命中して上に浮き上がった。そして相手の走者の手に渡り、そのまま走り抜くことが出来たのだ。
そしてその走者は一人分前に出た感じで走り抜き、そのまま次の走者にバトンを渡した。そしてそのバトンは次々に渡されて肩から腹にかけて帯を付けたアンカーに手渡された。そして校庭五分の一の差でゴールした。
そしてこの結果を元に娘たちの赤組は優勝を示したのだ。
『選手退場』
ついに終わって娘が入場の時の入り口だったところから戻ってくる。私と妻はそこに待っていた。
「おめでとう」と私は言った。
「お父さんもおめでとう」と娘は理解しにくい返答をしてきた。
「へ?」
「だって今日はお父さんの誕生日でしょ?」
そういえば雨のせいで先週の土曜日は延期になって今週の今日になったのを思い出した。そのおかげで私は行かれなかったはずの運動会が今見れてたのだ。そして運がよく今日は誕生日だったのだ。
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