上手な夢の叶えかた。

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薄汚れたゴミ溜めのようなアパートに寝転び窓の向こうで光っている星をオレは一人で見ていた。 今日アルバイトをクビになった。 やけになって残っていたお金を全部突っ込んで浴びるほど酒を呑んだ。側に転がっている空き缶はその残骸だ。 足が言うこと聞かなくて立ち上がる事も出来ない。 ふざけんなよ。 オレが一体何したっていうんだ。 結局オレはいつまでたっても金もない、仕事もないただのフリーター。 月末には家賃として五万払わなきゃいけないのに、何も持っていない。 何が都会には夢が溢れている、一攫千金も夢じゃないだ。 何も無いじゃないか。 自慢じゃないけど明日の飯すらどうすりゃいいのかわからない。 甘い言葉にのって都会なんて来なければ良かった。実家だったら五万あったら余裕で三ヶ月分の家賃で遊んで暮らせるのに。 つーか、都会でも一応星なんてもんも見えるんだな。 あの星が全部金になったら一生遊んで暮らせるのに。とオレは夢のような事をぼんやり考えていた。
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