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「おい、お前が呼んだのか。」
はい?
いつの間にかオレを見下ろしている一人の少年が居た。
小学生くらいか?
どっから入ったのか畳の上に土足で立ってオレの事を見下ろしている。
どっかの絵本に出てきた王子のように金髪の栗毛でワイシャツに吊りズボンかよ、身なりのイイ格好しやがって。
見世物じゃないんだ、あっちいけよ。
オレは酔って出来たオレの妄想に無視を決め込んだ。
「何無視してんだよ、お前。」
少年がまた話しかけてくる。
「お前って何だよ、クソガキ、早く帰って寝ろ。」
うるせえな、オレはもう眠いんだよ。
「僕はガキじゃない。お前の方がガキだろ。」
オレの身長の半分もないお前なんかに何でそんな事言われなきゃいけないんだ。
酔っぱらっていた頭が急速に覚醒する。
「どう見たってオレの方が年上だろ。前は何歳だっていうんだ?」
「百五十三歳。」
は?
何言ってんだ、こいつ。
「でも、僕らの世界じゃそんなのまだ生まれたばかりだよ。」
「は?そんな訳ないだろ。どう見たってお前まだ小学生ぐらいだろ。」
「ああ、この姿がいけないのかな。人間にとってこの姿の方が馴染みがあると思ったんだけどな。」
そう言って自分の服装をキョロキョロと点検し始めた。
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