第六章 世間と言うもの

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<匠46>  そういうのなら、本当にやってもらおう。反応がいちいち可愛い。もうどうしてくれよう。  裸エプロン、男のロマンでしょう。  「待て」と言うといつも本当に忠実に待っている。仔犬に餌をやってる気分だ。後でご褒美をあげなきゃと思う。  さっきから自然に頬が緩むのが解る、考えれば今までこういう恋愛はしてこなかった。  「んっ!」  パスタを食べながら美味しそうに目を瞑る顔にさえぞくぞくする。食べ終わると顔を崩して笑いながらお腹いっぱいです。ごちそうさまと両手を合わせてきちんと言う。  「片付けますね。あのっ、え、エプロンはこの次でも良いですよ、ね?」  やっぱり言われたことには忠実だ。    「じゃあ俺の誕生日でいい?クリスマスイブなんだけど」  「はい」と、小さい声で返事しながら耳まで真っ赤になっている。  「蓮、皿洗わなくていいから、そこ置いてこっちにおいで」  膝の上をぽんぽんと軽く叩く。しばらくこいつを抱えてゆっくりとしていよう。そっとやってきた上原は困った顔しながらも膝の上におとなしく座った。  上原の首筋に顔を埋める。  「お前なんだか甘い匂いがする、何つけてるの?」  「え?何もつけていませんが、何か匂いますか?」  何だろう、この少し甘い優しい匂い。ああ、ミルクの匂いだなこれ。
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