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……そして今に至る。
「ごめん、サラ」
ミズキンダ……。
「もうご飯で文句言わないから」
「うん。あれから言ってないね」
「真面目にスクワットするから」
「うん。確かに12回は、やってるね」
「間食しないから」
「うん……？してたの？」
「まあ、ちょっとだけ」
えへへと背中のリュックから出してきたのは笹の葉チップス。
「あんた………」
「天王賞まで我慢する！」
レースまでかい！すぐそこだわ！
ま、いっか。
なんやかんやでミズキンダには癒されてるし。
特にこのもふもふ。
「ごめんね、なんか自信なくてつい逃げ出したくなったの。まさかこんなことになるなんて」
「……私も甘かったわ。レースより海外旅行に気持ちがいってた。私は、競走馬だってのに。
これからも一緒に頑張ってくれる？」
「うん」
「絶対女子プロレスには転向しないわよ」
「する気無いよ、何言ってんの」
にへらと無邪気に笑うパンダ。
そうね、あの時はあのおーかみさんに、うまく嵌められただけ。
「頑張ろうね」
さあっと秋の心地よい風が吹き抜ける。
「あー、ここにいた。可愛い僕のパンダちゃん」
ん？
この声。
ぐおっと振り返るとそこにはクロい顔でニヤリと笑うロー・ホ記者。
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