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第2話 血肉の花弁【里香】
真衣を殺し、俺のプロデュースは本格的に開始された。
もう後戻りはできない。これは、お前を未来永劫、輝かせ続けるためのプロデュースだ。
そのためには、俺はどんな犠牲も払う。
真衣を殺した翌日、俺は里香を居酒屋に呼び出した。
「なにいきなり呼び出して、せっかくのオフなんだけど」
席に座るなり不機嫌そうな里香。
「いや、今後の事も交えてお前と話がしたくてな。安心しろ、今日は俺のおごりだ」
もちろんそんなつもりはない。これは準備だ。
美しい花を咲かせるための、花弁を集めるために必要な事だ。
「真衣さんが辞めて寂しいとか?」
「まぁそんなところだ」
「きもっ」
里香は相変わらず口が減らないようだが、俺は適当に流す。
「で、何話って。まさか本当に私と飲みたいってわけじゃないでしょ」
当たり前だ。お前に「花弁」の価値が無ければ、とっくの昔に見切っていた。
真衣は煙草を取り出し、火をつけて大袈裟に煙を吐き出す。
「おいおい、アイドルが煙草は無いだろう」
「はぁ……オフの日くらい何やってても良いでしょ。いちいちアイドルアイドルって……」
「真衣、お前にとってアイドルとは何だ」
「なに、説教?」
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