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第3話 血肉の花弁【栞】
里香の「加工」を済ませ、俺はそのままシャワーを浴びる。
意外と人間の手足を切り落とすのは容易ではなく、こんな明け方までかかってしまった。
残ったゴミ、いや身体はどうすべきか。今は部屋に置きっぱなしだが、真衣と同じように可能な限りバラバラにして、排水溝に流してしまうか。
重要なのはパーツだ、残った身体など俺にとってはゴミ同然だ。
切り落とした手足は「聖域」に収め、真衣の首と共に開花の時を待っている。
残るは花弁は……あと1枚だ。
その残る1枚とは、栞だ。
彼女の加工が済めば、花弁は全て揃い花は開花することとなる。
そう、真衣という花がようやく開花するのだ。
俺はシャワーを終えると、栞に連絡した。
「プ、プロデューサーですか?!」
「ああ……どうしたんだ、そんな慌てて」
電話口の向こうでは栞の慌てた声。
「その……今日撮影なんですけど、時間過ぎても里香ちゃんの姿が見えなくて……」
「里香?」
「……今まで遅刻はしたことなかったのに、プロデューサー何か知りませんか?」
「……」
栞が慌てているのは、撮影場所に里香が現れないことが原因だった。
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