臓器

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「本当に僕なんかが入っても良いのかい?」 朱音が働く研究所の廊下で、千坂は先を行く朱音を追っていた。 「いいのよ。私が良いというんだから」 清掃の行き届いた白い廊下も、奥に進むほど消毒薬と血の生臭い臭いが強くなる。千坂は手で鼻を覆った。 朱音は一つのドアの前で足を止め、IDカードをかざしてから手のひらをセンサーに重ねる。ピンと機械的な信号音が流れた後、自動ドアが開いた。 「盲目の研究者もいるのよ」 朱音が金属音の理由を説明した。
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