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「──ありえない、っつうの!」
新幹線を降りた瞬間、ありえない寒さに思わずひとりごとが口をついて出る。
思わず目の前の売店に駆け込み、高いマスクを買った。
車内が快適だっただけにこたえる。
11月って、こんなに寒いものだっただろうか。
広いホームを階段に向かって色んな人が歩いていくけれど、妙な寂しさが足元を駆け抜けていく。
あの群れに早く混ざらないと、このまま置いてけぼりになりそうだ。
──ここは新大阪駅。
新幹線の駅と言えば大都会の真ん中にあるはずなのに、どうにも非現実的で寂しげな空気を漂わせるこのホームにひとりぽつんと立ち尽くすなんて、ごめんだ。
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