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ああ、温泉さいこー。ここにきて良かった。
胃が痛くなりそうなことはあるけど、温泉さいこー。
肩までつかるが、温度も丁度良く。遺跡がいい感じの段差になっていて腰が下ろしやすい。
遺跡に刻まれた古代文字もいいアクセントになっている。
隣、といっても少し離れた位置にアルクも入ってきた。
「悪かった」
上手に禍根が残らずに謝る方法なんぞ知らない。ただ、謝らないともっと酷い状況になることは知っていた。
だから謝る。
「何に対してだ、それは」
「お前の傷を見て酷い反応をしたこと、それから俺の傷跡の付いた理由をごまかしたこと。
後、ナタリアのパーティ加入を独断で決めたこと」
早口になってしまったが、伝えるべきことは伝えたつもりだ。
ただ、それを聞いたアルクがどう思ったのかは分からない。
「どれも、大したことじゃない。気にするな」
そう言うとアルクは、顔をバシャバシャとお湯で洗った。
「それにしても、ギイはああいうのが好みなのか?」
ああいうが、ナタリアにかかっていることはすぐに分かった。
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