1660人が本棚に入れています
本棚に追加
/376ページ
泣きつかれて俺にもたれるようにして眠ってしまったナタリアを抱きかかえて野営している場所に戻ると、アルクが火の番をしていた。
俺が抱えているナタリアを見て、お前は馬鹿かと少しだけ笑っていた。
何故、馬鹿だと言われたかは分からなかったが、まあ、俺は全体的に馬鹿なのできっと今回も馬鹿なことをしでかしたのだろう。
ナタリアを下ろすと俺も寝ようと毛布を体に巻いた。
眠りにつく前、アルクがぽつりと言った言葉は
「捨てられるって、どう回復していけばいいのか分からないな」
で、俺は「まあな」としか返せなかったけれど、本当にどう、捨てられた自分ってやつを認めていけばいいのか、俺には分からなかった。
最初のコメントを投稿しよう!