適正

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 さすがにユナを召喚した時の様に魔力切れで意識を失う程でもないので、何も考えず術にのみ集中する。  程なくして、鳥の傷は癒えた。そのまま俺にすり寄るみたいに、肩にとまって俺の顔に触れた。  言葉を交わす事が難しい種族だが、やはり滅茶苦茶可愛い。  頭の羽毛をそっと撫でてやると、鳥は目を細める。  良く撫でてやってから、再び契約の名のもとに召喚するために返してやる。 「怒りはおさまったか?」  アルクに言われて初めて周りに複数の人間がいたことを思い出す。 「ああ、悪い」  落ち着いていたのに、また顔面蒼白で書簡を見ているナタリアからそれをとりあげて、魔力で燃やしてしまう。 「じゃあ、出発しようか」  ナタリアに言うと、無言で頷く。 「魔術師……、通信用の魔石だ」  名前を知らないかったので、一瞬詰まるが必要なものなので渡しておく。  いつでも俺に連絡が取れる通信用のものだ。 「アスナといいます。必ずいつか連絡します」  泣きそうな笑顔で魔術師、アスナは言った。  アルクと、金髪ちゃんはニ、三言何かを話していたが聞き取れなかった。  勇者同士何かあるのだろうが、それこそ勇者では無い俺にはなんの関係も無かった。 * * *  目的地は当初の予定通り。ただ、もう一つ目的ができた。  ナタリアの戦闘能力強化だ。     
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