適正

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適正

 翌朝、もう一羽の鳥も帰ってきた。  そちらは、怪我をしていて、持って帰ってきた書簡の内容も簡素なもので、状況を察し、怒りがこみ上げる。  こんなに可愛い妖精ちゃんをこんなひどい目にあわせるなんて、人の心は無いのだろうか。  人型をした妖精ちゃんも、生き物の形をかたどったものも、光球の形をしているものも皆可愛いのに。  妖精は自分を構成する物全てを召喚時こちらに転移させるのではないことは研究の結果広く知られている。  だから、一度元に戻ればこの子の傷もある程度は癒える筈だ。  けれど、恐らく全てでは無い。  書簡を渡したことにより、契約が終了して元の世界に戻っていこうとするのを魔術で強制的に介入しストップさせる。  そのまま、治癒系の魔法陣を展開させる。  正直言って治癒魔法は苦手だ。事実、魔法陣のあちらこちらがガタガタとしている。  もっと練度を上げておけばという、たらればを今考えても意味がない。  駄目な箇所は魔力量で補うしかない。  黄色の鳩全体を魔力の光が覆う。一気に魔力を食われる感覚がするが気にしてはられない。     
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