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県庁の試験は基本県職員と人事委員会のおっさんどもが監督をしている。 俺を取り囲むのは八人ぐらいの大所帯。 特にいやな、がつがつ圧をかけてくる腹黒ジジイがリーダっぽかった。 ひたすらネチネチ聞いてきたので 「なんか文句あんのか調子のってんじゃねえぞド田舎の役人風情が」 みたいなことをオブラートに上品に丁寧にちょい喧嘩腰で言ったのである。 別になりたくもないので、落ちてもどうでもいいという気持ちで言ったことだった。 で、受かってしまったのである。 数的処理もろくに解いたことなかった俺が、筆記試験ばかりか、面接試験まで。 ……何故だ。 舐めてかかったのが逆によかったのか? まあとにかく、そういうわけで。 戻ってきてしまったのだった。 この愛媛県に。     
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