軟禁生活編

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 無言の圧力......て程では無いけど、受け取らなかったら受け取らなかったでヤバい事が起こりそうな笑顔だ......。  仕方なく、小箱を手に取りグリーンのリボンを解く。  紙を開くと真っ白い小箱が姿を表し、上に付いている蓋を開けると中から綺麗な水晶玉が出てきた。  占い師が持ってそうなやつに近い。  直径は八センチくらいで手のひらにすっぽりと収まった。 「ナニコレ?」 「結晶石(けっしょうせき)だよ」  うん......なんそれ?  この水晶みたいなのが結晶石って言われても全然ピンと来ないんですが?  俺がアホ面でぽかんとしていると、男は説明を始めた。 「この世界での原動力の一つだよ。光晶石、水晶石、火晶石の事は知ってるよね?」 「......前に、教わったら知ってる......」  教えてくれたのが、ハーグだった......。 「うん、様々な晶石の元となっているのがその結晶石だよ。地脈の魔力に従って性質変化するから、純度の高い結晶石は貴重なんだ」 「へー......」  水晶玉が高級品ねー。  日本に行けば似たようなのが安く売ってるけどな。 「結晶石は魔力を注ぐ事で色んな用途に使えるんだよ。例えば......」  男が結晶石に手をかざした。  俺の手のひらで結晶石がほんのりと温かくなるのを感じると、そっと手が引かれる。  再び目にした結晶石には、"青い海が映し出されていた"。 「な......なんじゃこりゃあ!!」  松田優作ばりに声を張り上げると男は可笑しそうに笑った。  だってあんたこれ......マジで占い師みたいな現象起きてんですけど!! 「あはは! 驚いた? 魔力を上手く操作したら、別の場所を映し出す事が出来るんだよ」 「スゲー......」  キラキラと日光を反射した水面は揺らめいていて、砂浜を波打っているのが見える。  うわーなんか海水浴したくなってきた。 「これなら外の世界をどこでも見れるんだ。どう? 気に入ってくれた?」 「うん......まぁ......」  結構いいかも......。本当は外に出たいのが一番の願いだけど、無理そうだしな。それでも、外の景色を見れるのは気分転換になるかも。ここからじゃ窓の外は真っ暗な異空間しか広がってないし。 「気に入ってくれてよかった......。朝食の後は身体の浄化するから、その後に好きなだけ皐月の見たい場所を映してあげるよ」
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