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30歳の死
虚構の世界の中に理想郷をつくり
その中で私は暮らしていた
そしてその理想郷の瓦解もまた一つの理想で
それが己の30歳という年齢だった。
30歳で死にたい
いや、死んでいる筈だと信じていた
実際には何も起きずに月日は流れ
人生の折り返し地点も等に過ぎていた。
老いる事に恐怖を感じているわけではない
死す事に不安を感じているわけではない
ただ
この世に生を受けた事実そのものが不満であり
この世に存在する己の存在
そして人間の存在そのものの醜さに
私は耐えられない
いいこととか
わるいこととか
そんなのわからない
そんなのは本来存在しないのではなかろうか
何故なら
人間が勝手に決めた基準だから
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