35人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ? 違いましたか?」
少し寄せられた雛人くんの顔に僕は『んっ・・・』と声を漏らして顔をそらし、小さな声で『違わないけど・・・』と呟いた。
それを見てまた意地悪な雛人くんがクスクスと笑いだす。
「もう噂ってレベルじゃないけどね」
綾菜くんの言葉に僕は『へ?』と声を漏らしていた。
噂ってレベルじゃない?
それ、どう言うこと?
僕はそんなことを思いながらそらした顔と目を綾菜くんへと向けていた。
顔と目を向けてすぐに僕はぱちりと綾菜くんと視線が合わさった。
「おはようございます! 先輩! 俺、雛人と同じクラスの綾菜 虹並ッス! よろしくお願いします!」
そう言って屈託なく微笑む綾菜くんに僕は引きつった笑みを投げ掛けた。
最初のコメントを投稿しよう!