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「ボクが閉めてみます」
雛人くんの言葉に僕は黙ったまま頷いて雛人くんに握られたままの手を門の取っ手からそろそろと移動させた。
雛人くんは僕の手をゆっくりと離すと門の取っ手に手を掛け、ゆっくりとした動きでそれを閉めていった。
カシャン・・・。
「・・・閉まった・・・」
僕はあっさりと閉まってしまった門を丸くした目で見つめ見た。
「力任せにやっても駄目みたいですね。さ。行きましょう? 遅刻します」
雛人くんはそう言うとクスリと笑って僕の手を握り、ゆっくりと歩きだした。
僕はそれに素直に従った。
僕は世間(?)で言う『受け』側の人間で雛人くんは『攻め』側の人間になる。
つまり、僕が雛人くんの『カノジョ』で雛人くんが僕の『カレシ』なわけだ。
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