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この細いのにしっかりとした胸板があたしは好きだ。
案外逞しい。
前にスパイ役をしたとかで結構な筋トレをしたらしい。
なんでもスパイスーツがピッタリして身体のラインに凄く気を使ったのだとか……
地味に大変なんだな役作りって…
あたしを抱き締めるノースリーブのシャツから出た上腕の筋肉に、思わず見とれてしまいそうになる。
あたしはぎゅっと抱きつくと、夏希ちゃんの大きく開いた襟ぐりの胸元に唇を押し充てた。
空気を含んだ音が軽く鳴る。
夏希ちゃんがそれに合わせてぴくりとなる。
それがなんだか面白くてあたしはふふ、と笑いながら何度も同じ事を繰り返した。
「……っ…ああっもうっ!──そんなことしたらヤりたくなるって…っ」
「ごめん」
ついついやっちまったい…
ちと反省。。。
夏希ちゃんに頭上から怒られたあたしは、目の前の胸板にしがみついて大人しくなった。
「晶さん……」
「ん?…」
「……っ…そこでやめるのズルくない?…」
「……?」
あたしのつむじに顔を埋め、唇を押し充てボソリと言う。
あたしは真上にあった夏希ちゃんの顔を見上げた。
途端に覆い被さる夏希ちゃんに唇を強く塞がれる。
おりょ?
スイッチ入った?
「……っ…もう、晶さんて…やることかわいくてたまんないっ…」
「あっ…っ…」
モソモソと動き始めた夏希ちゃんの手があたしの胸をまさぐった。
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