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頑なに禁欲する夏希ちゃん。
出家でもするきなんだろうか……
なんて思わせる程の強情っぷり。
ムキになって貫こうとする辺りが、結構可愛い──
夏希ちゃんなりにあたしを大事にしようとしてくれてるんだよね?
ありがとう。。。
重ねた唇をゆっくりと離す…
熱いため息が長く吐かれ、夏希ちゃんの綺麗な瞳が濡れてくる…
あ……スイッチ入ったかな…
そう読んだ途端
「なんでそんな可愛い顔して見つめるわけ?苦しいじゃん、俺……」
夏希ちゃんは掠れた声で低く囁いた。
苦しいんならヤっちゃえばいいんだよ?
何に誓ってそんなに我慢するのかねチミは?
なんて思わず問い質したくなる。
しょうがない──
その箍、あたしが壊してあげちゃうかな?
「夏希ちゃん…すき…」
「……っ…」
夏希ちゃんは目を見開いた。
ちょっと苦しそうに綺麗な顔が歪んでいく。
胡座をかいて下を俯くと夏希ちゃん小さく呟く。
「今それ言ったらダメっ…」
「……?」
「我慢できなくなるっ」
「今言わなかったらいつ言うの?」
「……っ…でも今はだめっ」
胡座をかいた膝がモジモジ揺れている──
「わかった」
夏希ちゃんなりの思いがあるんだろう…
じゃあ、あたしも禁欲するかっ!
夏希ちゃんの仕草を見てなんだかフフッと笑みが漏れた。
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