5章 愛の天秤

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・ 夏希ちゃんを解放してあたしは薄着の上にシャツを軽く羽織った。 わかったって言ったからには協力してあげなきゃね! シャツを着て部屋を歩き回るあたしを夏希ちゃんの視線が追い掛ける。 “すき…” あたしの言った言葉に返すようにそんな想いを込めた瞳であたしを追う。 あたしはそれを気に止めず、お気に入りの番組にチャンネルを替えてテレビを向いた。 夏希ちゃんなりの愛情表現── あたしはそれを受け止める 時に劣情 時に激情── そして愛情……。 衣服を付けたまま手を繋いでベットで語り合った日。 「店を持ちたい。自分のコーヒーショップ!」 「うん、応援する…」 優しい声でそういってくれたあの日── 狭いベットで月明かり越しに言ってくれた夏希ちゃんの表情はとても穏やかで包み込まれるようだった。。。 この数週間で結構、色んな夏希ちゃんを見てきた。 あたしもこれからもっともっも色んな夏希ちゃんを見ていきたい。
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