第8話「もう魔王なんてどうでもいい」 城跡~7人

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「どうしたのキミ?」 「何かおかしな物が見えたかのぉ?」 「いえ・・・全然見えなかったです。祭壇もオーブも」 実はヨシヒコには6人に見えた大樹の映像が見えなかったのです。 「えっえっ? ちょっと待って。勇者に見えないって、どういうこと?」 「てっきり勇者の導きで枝のチカラが発揮されたのだと思ったのじゃが」 「仏様と同じです。私にだけ姿が見えませんでした」 「そういえばそんなこと言ってたわね」 カミュたちが首をかしげます。 そんな中、セーニャが何か閃いたように手を叩きました。 「紙芝居と同じですよ。読んでくれる人に絵が見えないみたいに、ヨシヒコ様が私たちに映像を見せてくださったのですわ!」 「なるほど」 セーニャの見解に皆が納得しました。
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